位置決めコントローラには位置決めIC

位置決めICは

最近のCPUは浮動小数点演算がとても速いので、位置決めの軌跡を全てCPUで計算してしまう事も可能です。20年以上前は、安価な組込みマイコンでFPU付のCPUは見当たらず。ASICやFPGAのロジック回路で総出力パルスと加減速を制御させていました。私の世代ではFPGAで作成する機会しかなく、少し上の先輩方はASICで作ったと話を聞いたことがあります。



カウンタの組み合わせ

位置決めICの基本は、加速量Aのパルス量で出力周波数を早くしていき、目標速度になったら、一定速に、そして減速開始ポイントで減速量Bの傾きで速度を下げていきます。

厄介なのが、減速開始ポイントになります。出力したい移動量(総パルス数)が決まっているのと、この値は整数ですので、減速開始位置が綺麗に割り切れないと、上手く減速しきれなくなります。最悪の場合、パルスが余ってしまい、低周波数のパルスが延々と出てしまう事があります。

上記は12パルスの加減速です。1サンプリングで1パルス加速しその後減速します。移動したいパルス量が12ならば綺麗にできますが、

もし11パルスだったら、最後が無くなる。

もし13パルスだったら、最後に足りない分を追加

こういった問題が発生してきます。



中間周波数を出すのが大変

また、周波数の高い領域では上記のように最大周波数の次は2倍の周波数でしかなく、中間の周波数を作成するのが容易ではありません。

この辺の工夫が、位置決めICの基礎になってきます。

この出力パルスが、高速域低速域とも綺麗に出せると、ステッピングモーターも綺麗に回せるICになります。(市販の物は当然問題ないと思います。)

最新情報をチェックしよう!